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三段編F
 位の活かし方を学ぶ

今回のテーマは「位の活かし方を学ぶ」です。
前回、位の重要性についてみなさんもわかってくれたことと思います。
今回は、皆さんに位の活かし方について学んでいただきたいと思います。

まず、皆さんに知っていただきたい事は、位の長所と短所です。
位がどういった場面で威力を発揮して、どういった場面で位が無意味なものになるのか。
そこのところに注目して以下を読んでいただければと思います。

まずは、位とは何なのかを説明していきましょう。
位とは自陣から五段目以上の段にある歩の事を言います。
また、位の確保とはその歩が取られないように金や銀などの駒で歩を援護することを言います。
それでは、その位がどのように力を発揮していくのでしょうか。
もっとも位が威力を発揮しやすい戦いは居飛車対振り飛車の戦いに挙げられます。
その時、居飛車側が位を相手の玉頭に張ると玉頭位取りと呼ばれる戦いになり、
位を5筋に張ると5筋位取りと呼ばれる戦いになります。

位取り使い?の兄さんにとって玉頭位取りの位と5筋位取りの位の使い方は異なります。
まず、玉頭位取りの位は攻撃的な位と言えます。
相手の玉頭に位を張ると、仮に歩がたくさん入ったり、香車、桂馬を手に入れることができるだけで、
垂れ歩に継ぎ歩、玉頭に香打ち、継ぎ桂など、相手陣に直接迫る手筋がたくさんあるからです。
もし、玉頭位取りで飛車をお互いに成りこんだとしたら、居飛車が勝つ確率の方が格段に高いでしょう。
それだけ攻撃的な性格を持ち、玉もそれなりに堅いからこの戦法は成立するのです。

一方、5筋位取りの位は防御性の高い位と言えます。
5筋位取りの位はバリアみたいなもので、この位が相手の攻撃陣をつぶし、じわじわと攻めていきます。
この位の使い方は、5、6筋に位を張り、位の確保をしつつも、相手陣の角と飛車の利きを止めて、
威力を最小限に抑え、その後、と金を作りながら攻めていくという使い方をします。
兄さんの得意なのは5筋位取りなのですが、一手、一手に非常に神経を使うのでとても難しい戦法であると思います。しかし今や指しこなすようになって、5筋位取りを採用したらほとんどの確率で勝てるようになりました。

そんなすばらしい位取りにも弱点があります。
その弱点とは、大駒交換や飛車をさばかれる事です。
大駒交換や飛車をさばかれた場合、位よりも相手の大駒のほうが攻めるスピードが速く、
位が無意味なものになってしまいます。
しかし、大駒が飛び交うような試合展開にならなければ位の威力というのは発揮できるので、とても有効な戦法であると思います。

皆さんが位取り戦法をするとき、普通の戦法と同じように指してはいけません。
位取りには独特の感覚があり、盤面を制圧するように指さなければならないのです。
キーワードは「厚く」「堅く」です。これを念頭において指してみてください。
最初は慣れないと指しこなすのは難しいかもしれませんが、
慣れるとこれほど強力な戦法はないな。と感じるようになるでしょう。
いずれ、位取り戦法の講座などを盤面を用いてアップしていこうかなぁと思います。



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