勝ちが決まったらとりあえず守れ
最初に三段編のコンセプトをご説明します。
三段編のコンセプトはより将棋の技術を高みのあるものへ、
また勝負における精神的な強さを鍛えることにあります。
ですから、三段編を学べば自分の将棋がより洗練され、
自分の実力を確立できるようになると思います。
さて、今回のテーマは「勝ちが決まったらとりあえず守れ」です。
皆さんが勝ったと思ったとき、次にどんな手を指しますか?
今回はそんな時に使えるテーマです。
では具体的にどのような状況で使えるのでしょうか。
状況@…ほぼ勝勢
状況A…相手の攻撃力はないが、自陣が薄く少し不安である
状況B…時間が足りない
状況C…自分が相手玉を寄せるための駒に余裕がある
の四つです。これらの状況が揃えば、相手玉を寄せる前に一回守ったほうが賢明な判断と言えます。
それはなぜか。
皆さんがその状況下で攻めると、相手玉を詰ませきれずに、相手に手を渡してしまう事になるでしょう。
そして、相手はその攻められた時に交換した駒を用いて、あなたを詰ましに掛かると思います。
この時に詰ませられても、詰ませられなくてもあなたが攻めた手は危険を冒した手であると気づくはずです。
将棋は終盤になるほど、一手の価値が非常に高くなります。
そんな時に危険を冒す手を打つべきではありません。
ここは一旦守って自分の勝ちをゆるぎないものにしてから攻めるのが得策と成り得るのです。
ここで、状況Cが満たされず、攻め駒が足りなかったとします。
そんな時は早逃げをするのも一つの手と言えます。
何も自玉の周りに駒を寄せるだけが自分の守りになるとは限りません。
皆さんは自分の守りの手とはどのような手かを考えるのが重要になるでしょう。
実は、このテーマの考え方は米長の将棋という本の自伝記に載っていて深く感銘を受けました。
そのためにそのような考え方もあるんだなという事で
それをベースに兄さんの考え方と織り交ぜて紹介しました。
実際、このテーマは兄さんもよく使っていて、非常に役に立っています。
皆さんもこのテーマを使いこなして、勝率をバンバンあげちゃってください。
何度も言いますが、意識して使うことが大事ですよ。
それが強くなる秘訣ですからね。
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